モスクワ米大使館にロシア人スパイか、女性職員を昨年解雇
ワシントン(CNN) ロシアの首都モスクワにある米大使館でロシアのスパイと疑われる女性が10年以上勤務していたことが発覚し、昨年解雇されていたことが3日までに分かった。米政権高官がCNNに明かした。
女性職員はロシア人で長年にわたり米シークレットサービスの仕事に携わっていたが、2016年、国務省の地域保安部門が定期的に行っている審査の中で疑いの対象になったという。
調査の結果、女性が承認を受けないまま定期的にロシア連邦保安局(FSB)の要員と面会を重ねていたことが発覚した。
当局者は「FSBとは全員が連絡を取っていると思うが、彼女は必要以上の情報を漏らしていた」と話す。
国務省の地域保安部門は17年1月、在モスクワ大使館に注意喚起した。女性は米国側から与えられた特定の情報をFSBに流している現場を押さえられ、昨夏に解雇されたという。
事情に詳しい関係者によると、問題の女性は実際には国務省に雇われていたが、大使館での業務の一環でシークレットサービスの仕事に携わっていた。厳密には外国人職員は全員、国務省に雇われており、後からさまざまな機関が仕事を割り振る流れになっている。
国務省はコメントを控えた。
シークレットサービスは2日の声明で、女性が国家安全保障にかかわる機密を入手する立場にいたことはないと強調。外国人職員はいずれも外国情報機関の影響下に置かれる可能性があると認識しており、ロシアではこの点が特に重要だと述べた。