イエメンのスクールバス空爆、サウジ主導軍は「軍事標的」と主張
(CNN) イエメン北部で先月9日、スクールバスが空爆を受け、数十人の子どもが死亡したとされる問題をめぐり、空爆を実施したサウジアラビアが率いる有志連合軍の報道官は2日、「合法的な標的」を攻撃したと主張した。
サウジはイエメンの親米暫定政権を支持し、反政府武装組織「フーシ」と戦う有志連合を率いている。
同報道官はCNNとのインタビューで、空爆の標的になったバスにはフーシの司令官や戦闘員が乗っていたと主張。子どもが乗っている気配は全くみられず、「スクールバスではなかった」と断言した。
またスクールバスが空爆を受けた現場のビデオや写真に対して、「出どころはどこだ」と疑問を投げ掛けた。
これに先立ち、有志連合の内部調査チームは1日、空爆で狙ったのは「軍事標的」だが、実行段階で「ミス」があったと発表。「巻き添え被害を防ぐために何もない、広い場所で攻撃するチャンスを逃した」との見解を示していた。
一方、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」や、フーシが掌握するイエメン保健省によると、空爆ではスクールバスに乗っていた子どもら数十人が死亡した。
HRWは2日、この空爆を「戦争犯罪」と呼んで非難。これまでに多数の民間人が犠牲になっている事実を知りながらサウジに武器を供給し続けている国々は、今後も同様の攻撃に加担することになると指摘した。
CNNの調べによると、スクールバスへの空爆には米国製の爆弾が使われたことが分かっている。