北朝鮮が建国70周年の軍事パレード ICBM登場せず、金委員長の演説なし
平壌(CNN) 北朝鮮は建国70周年に当たる9日、首都の平壌で祝典行事の1つである軍事パレードを実施した。軍事パレードは今年2月に続き2度目だが、前回とは異なり、米本土にも到達可能ともされる大陸間弾道ミサイル(ICBM)は登場しなかった。
トランプ米大統領の反発を避けるため北朝鮮はICBMを誇示しないとの事前予想も出ていた。米朝は今年6月初めて開いた首脳会談後、非核化交渉を続けているが最初に具体化すべきとする要求事項で対立があり、停滞したままとなっている。
今回の軍事パレードは過去のものより小規模とみられ、兵器類の参加も相当抑制されていた。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は前例を破り演説しなかった。代わりに国家元首としての儀礼的な職務を務める金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長が演説し、兵士に対し戦争遂行と経済開発闘争への準備を同時に進めるよう促した。
軍事パレードを観閲したのは金委員長、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が送った栗戦書(リーチャンシュー)・全国人民代表大会常務委員長ら。金委員長と栗戦書氏はパレードの終盤、互いの手を合わせ宙に掲げる仕草も見せた。
9日の軍事パレードは文民と軍人による2段階に分かれて進められた。軍人の場合は、1948年から現在までの各時期で異なっていた制服を着込んだ数千人の兵士が行進した。
一部の砲門の登場では過去のパレードと同様、反米スローガンが飾られていたものの、今回は経済開発や住民の生活向上の重要性に圧倒的な力点を置くような印象が強かった。