ハリケーン級の暴風雨 ギリシャで洪水や停電、北上してトルコへ
(CNN) 地中海を北上したハリケーン級の勢力を持つ暴風雨は29日朝、ギリシャ南部ペロポネソス半島のカラマタ市などの沿岸部に到達して洪水被害をもたらし、ピュロスでは停電が発生した。
地中海で今回のような規模の暴風雨の発生は珍しい。発生したとしても年1、2回で海面温度が高い9月~10月にかけて発達するとされる。「ゾルバ」と呼ばれる今回の暴風雨については気候変動に伴う世界規模での気温上昇の影響を指摘する見方もある。
ギリシャの国家気象予報当局は29日午後、ゾルバは強い勢力を保ちながらペロポネソス半島東部、ギリシャ中部や首都アテネ周辺を襲う恐れがあると警告。シリアからの難民のキャンプが多いエーゲ海諸島では強風の発生を予報した。
ギリシャを通過後はトルコへ向かうとみられる。
ペロポネソス半島でこれまで生じた被害の詳細は伝えられていない。
ゾルバは今週前半、北アフリカのチュニジアやリビアを襲い、洪水被害などをもたらした。この後、地中海を北進していた。
トルコの国家気象局(MGM)は29日、CNNの取材に同国では豪雨や強風の到来が予想され、陸海空での交通手段が大きく乱れる可能性があると指摘。風速は約19〜25メートルに達する見込みとし、屋根などが飛ばされる恐れがあるとした。また、高潮や倒木への警戒を促した。