痩せこけたラクダの写真が拡散、動物園に批判 ナイジェリア
ラゴス(CNN) ナイジェリアの動物園で痩せこけて弱った様子のラクダが撮影され、動物虐待だとして批判の声が出ている。これに対して動物園側は、栄養失調ではなく病気の影響だと反論した。
写真は首都アブジャにある国立動物園を訪れていた男性が撮影したもの。男性はCNNの取材に、「動物を見せる前にやるべきことがある。栄養失調で世話が行き届いていない様子が目立つ動物がいたとすれば、それはまさにあのラクダだった」と語った。
一方、動物園の幹部は栄養失調との指摘を否定し、「数カ月前に重篤な皮膚感染症で体調を崩し、非常に痩せていた」と説明。皮膚疾患の治療に必要な薬を見極めるべく、排せつ物や血液のサンプルなどを採取していたことを明らかにした。
ただ、撮影者の男性によれば、一緒にいた3歳の娘はラクダと判断することができなかった。写真に「アブジャの動物園で元ラクダを見た」とのキャプションを添えてツイッターに投稿したところ、瞬く間に拡散した。
動物園幹部は、豪雨でラクダの健康に影響が出たとしつつも、適切な医療措置は取ってきたと主張。砂漠を生息地とする若いラクダが環境に適応しようとして皮膚感染症を発症しただけだとしている。
一方、国際動物保護団体の調査責任者は異議を唱え、「悲しいことに、このラクダには皮膚感染症以上のものがある」と話す。「病気も栄養失調も深刻だ。地面には満足な食べ物もなく、最終的には緩慢で痛みを伴う死に至るのではないか」と指摘している。
食物不足は「小さなコブ」からもうかがえる。ラクダはコブに脂質を蓄えており、地面に食べ物が見つからない時の備えとして活用するという。