イエメン内戦、国民の半数に飢餓の危機 避けられたはずの悪循環
フーシへの供給を断つ目的の封鎖によって人道援助も断たれ、ただでさえ悪化する経済に拍車をかけた。報道機関がイエメンの戦争を取材することも(偶然の一致ではなく)難しくなった。
サウジアラビアの同盟国である欧米諸国は無差別な空爆に対して懸念を表明したものの、莫大(ばくだい)な収益をもたらす兵器供給の契約は続行した。サウジの航空機は米国製の爆弾を落とし、米国の空中給油機から燃料補給を受けている。
ウォールストリート・ジャーナル紙の9月の報道によると、ポンペオ国務長官は、20億ドル相当の兵器供給が危うくなりかねないという理由で、イエメンの民間人犠牲者に関する懸念をはねのけた。
トランプ政権にとっては、イエメンの内戦を終わらせることよりも、イランを封じ込めることの方が優先課題とされている。
同国最大の港湾都市ホデイダでは、約5カ月にわたって続く空爆で推定30万人が脱出し、国内避難民の増加に拍車をかけた。
ユニセフによると、重度の急性栄養不良に苦しむ同国の子ども40万人のうち、ホデイダ地域の子どもは40%を占める。支援団体によれば、ホデイダ地域の急性栄養不良の患者数は先月だけで2倍に増えた。
ホデイダを救い、イエメンを救うことができるのは、国際社会の仲介による交渉を通じた停戦と、救援物資の自由な移動しかない。