イエメン内戦、国民の半数に飢餓の危機 避けられたはずの悪循環
9月にはスイスで交渉の場が設けられたが、フーシの代表団は身の安全が懸念されるとして出席を拒んだ。今月にはスウェーデンで改めて交渉が予定されている。
支援団体の代表は、最近の停戦によって生じたかすかな望みは薄れつつあると述べ、「なぜ停戦のため1カ月も待たなければならないのか」と問いかけた。
サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が殺害された事件は、サウジのイエメンに対するアプローチを変えさせる可能性がある。
トランプ政権とサウジのムハンマド皇太子との関係は、皇太子に近い工作員がカショギ氏の殺害に関与したことで冷え込んでいる。関係者によると、ムハンマド皇太子の周辺に熟練の側近を配置しようとする動きもある。イエメン空爆に批判的だった国王の弟のアハメド王子が海外から帰国したことも、政策の変化の前兆かもしれないと、ある外交関係者は指摘する。
サウジに詳しい専門家は、サウジが主導する作戦の無策ぶりが「イエメンの人道危機を悪化させ、世界中から非難される原因になった」と指摘し、「サウジ政府はいずれにしても、この戦争を終わらせることを優先せざるを得なくなる」と予想した。
だが衝突が続く間、イエメンでは日ごとに何千人もの子どもたちが衰弱し続ける。国連によると、10分ごとに1人が死亡しているという。