重傷負った脱北兵が初インタビュー 北朝鮮の生活を語る
かつて警官の仕事をしていたころは、違法行為を見逃して金を受け取っていた。相手が求めた金額を払わなければ、投獄すると脅したこともある。
韓国で受けた健康診断では寄生虫が見つかった。北朝鮮では人の排泄(はいせつ)物を肥料に使っていることなどから、ほとんどの人に寄生虫がみられると、呉氏は指摘する。ただし、寄生虫は宿主が極度の栄養失調だと成長できない。呉氏は、自分の体内に寄生虫が繁殖していたのは栄養状態が良かったからだと説明した。
軍では食器を洗わずに何度も使っていた。多くの住民が食料や物資の不足に苦しみ、それが指導部への無関心につながっている。
金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に対しては「私の年代の約8割がしらけた気持ちで、忠誠心もない」という。
呉氏によると、北朝鮮では日本製品の人気が高く、日産の輸出車「パトロール」は軍の将校らがもっぱら愛用している。「北朝鮮の人々は政治面で日本を非難するが、経済面では日本を尊敬している」と、同氏は強調した。