食用からペットへ、韓国で犬の境遇に変化 大統領も雑種犬の里親に
世論調査機関のギャラップが韓国で今年6月に実施した調査では、もう犬肉は食べないという回答が約70%に上り、2015年の44%から大幅に増えた。
犬に対する見方が変わった一因として、競争が激しくなり、単身世帯が増えて人間関係に対するストレスが強まる中で、無条件の愛情を示してくれる犬をペットとすることの人気が高まったと専門家は解説する。
KB金融グループによると、韓国の成人は4人中1人がペットを飼うようになり、飼い主はペットのために毎月約90ドル(約1万円)を出費している。
ペットを飼う人が増えるにつれ、ペット保険や犬の託児所、トリミングサロンなどの業界も成長した。
農業協同組合によると、2013年に11億4000万ドルの規模だった韓国のペット業界は、17年には34億ドルへと増大し、20年には54億ドルに成長する見通しだ。
ソウルの市内では今、最新のファッションをまとった犬を見かけることも珍しくなくなった。百貨店はオーガニックペットフードやエジプト綿を使った犬用ベッド、フランスから輸入した犬用カートなどを扱っている。
全ての犬がそんなぜいたくな暮らしをしているわけではない。それでも韓国で犬の地位が変わりつつあるのは明らかだ。伝統的な食文化にこだわり続けようとする農家もあるかもしれないが、犬は今、食卓に上るよりも、家族の一員として写真に収まることの方がずっと多くなっている。