ロシア、極超音速ミサイルを来年配備へ 迎撃不可能と主張
(CNN) ロシアのプーチン大統領は26日、米国のミサイル防衛網では迎撃出来ないと主張する新型の極超音速ミサイルシステム「アバンガルド」を2019年に配備すると発表した。同ミサイルの実験後、表明した。
国営タス通信によると「新型の戦略兵器を保有する世界最初の国となり、我が国家と国民の安全を信頼性を持って今後数十年にわたって保障する」と強調した。実験は同国南西部のドムバロフスキー軍航空基地で実施された。
以前の報道によると、大陸間の射程距離を有し、飛行速度は最速でマッハ20。弾頭部分は滑空する性能を持つ。タス通信は、標的に接近した際、高度や方向を調整出来る能力を持ち、敵防衛網を回避し、大半の迎撃機などをかわせる低空飛行が可能としている。
プーチン大統領は今年3月、ロシア国会での演説でアバンガルドの性能に触れ、迎撃は現実的に不可能と誇示。ただ、米政府当局者はCNNに、同ミサイルの性能を疑問視し、配備時期は近くないと指摘していた。
限られた資金や国防産業の裾野などを踏まえ、ロシアの戦略的兵器の開発や非戦略的な軍更新計画は制約を受けてきたとの指摘もある。ロシアが誇る新たな軍事能力が現実とはなっていない事例がこれまで再三あったとの見方もある。
極超音速の兵器をめぐっては米国や中国も開発に着手。中国は今年8月、マッハ6での飛行が可能とする航空機の実験飛行の成功を主張。米空軍は今年、米防衛企業ロッキード・マーチンと極超音速ミサイル開発の契約を交わした。
米国は今年、ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄を表明。ロシアが同条約に違反したミサイル開発などに着手したのが理由となっていた。