カナダ、中国への渡航に注意喚起 「危機的状況」の指摘も
(CNN) 中国でカナダ人男性が死刑判決を言い渡されたことを受けて、カナダ外務省は中国へ渡航する国民に注意を呼び掛けた。両国の関係は危機的状況にあるとの指摘もある。
カナダ外務省は14日深夜、中国への旅行者に対して、「現地の法律が恣意的に運用される恐れがある」と警戒を促した。
2012~16年に駐中国カナダ大使を務めたギー・サンジャック氏は15日、CNNとのインタビューで両国間の「危機」を指摘し、死刑判決を受けたカナダ人のロバート・シェレンバーグ被告は中国の「見せしめ」にされていると主張した。
一方、中国外務省の報道官は15日、カナダの注意喚起は不要な措置だと反発を示し、カナダ人は「中国の法に従っている限り安全だ」と強調。「カナダの警告は、泥棒が『泥棒だ』と叫んでいるようなもの。外国人を恣意的に拘束したのは中国でなく、カナダのほうだ」と述べた。
中国は同日、カナダへの渡航者に「恣意的拘束」の恐れがあるとの注意を呼び掛けて対抗した。
中国共産党系の国際情報紙、環球時報は14日の社説で、カナダの「偽善」を非難。欧米メディアに「責任ある報道」を求め、シェレンバーグ被告の裁判に政治的意図はないと強調した。
シェレンバーグ被告の弁護団が15日、CNNに語ったところによると、同被告は死刑判決を不服として、上訴する方針を決めた。