ベネズエラ検察、暫定大統領を捜査 「重大な結果」招くと米大統領補佐官
ベネズエラ・カラカス(CNN) 政情不安が続く南米ベネズエラの検察当局は29日、暫定大統領就任を宣誓したグアイド国会議長に対して捜査を開始したと発表した。これを受けて米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、グアイド氏に何らかの危害が及んだ場合「重大な結果」をもたらすと警鐘を鳴らした。
ベネズエラでは、在職中の国会議員は起訴を免除されるのが通例。
検察の発表に関連して同国最高裁のマイケル・モレノ裁判長はツイッターで、捜査が行われる間グアイド氏の資産は凍結され、出国も禁止されるとの見通しを明らかにした。
トランプ大統領はグアイド氏を正統な大統領として承認。米国を筆頭に、民主主義を標榜(ひょうぼう)する欧州や中南米の複数の国々がグアイド氏の支持に回っている。
中国、ロシア、トルコなどが支持するマドゥロ大統領は、グアイド氏による暫定大統領就任の宣誓について、自身の排除を狙う米国が中心となって画策した「クーデター」だと非難していた。
ベネズエラでの危機の対応を巡り、現時点でトランプ政権は軍事介入を含むいかなる選択肢も排除していない。28日には、記者会見に臨んだボルトン大統領補佐官の手にした用箋(ようせん)に「兵士5000人をコロンビアへ」の文字が走り書きされているのがカメラに映り込み、様々な臆測を呼んだ。
これが不注意によるものなのか、マドゥロ政権への牽制(けんせい)としてあえて発したメッセージなのかは明らかになっていない。