サウジで収監中の女性活動家、「恐怖の城」で拷問か 兄が寄稿
(CNN) サウジアラビアで収監中の女性活動家、ルジャイン・ハズルールさんの兄がこのほどCNNに寄稿した。ハズルールさんが刑務所内で虐待を受けているとし、その様子を詳述している。
これによると、ハズルールさんは最近面会に来た両親に対し、地下室で頻繁にむち打ちや殴打、電気ショック、性的嫌がらせを受けていると語った。ハズルールさんはこの場所を「恐怖の城」と呼んでいるという。
ハズルールさんは昨年5月、女性の権利拡大を求める他の10人の活動家とともに逮捕された。家族やサウジの活動家、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは、ハズルールさんら女性収監者が虐待や性的嫌がらせを受けていると主張している。
少なくとも1回の尋問には、ムハンマド皇太子の最側近だったサウード・カフタニ氏が立ち会っていたとされる。
ヒューマン・ライツ・ウオッチなどによると、カフタニ氏は収監者の1人について、強姦(ごうかん)のうえ殺害して下水設備に投げ捨てると脅迫したとされる。
トルコ最大都市イスタンブールにあるサウジ総領事館では昨年、サウジ人記者のジャマル・カショギ氏が殺害される事件が発生。サウジ政府はカフタニ氏らに殺害の責任があるとし、王室の職務を解任した。
取材班はサウジ政府を通じてカフタニ氏に連絡を取ろうとしたものの、成功しなかった。現時点でサウジ当局のコメントは得られていない。
兄はCNNへの寄稿で「ルジャインが拷問について両親に話すたび、その両手はどうしようもなく震えていた。痛みが永遠に残るのではないかと恐れている」と記している。