台北(CNN) 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は19日、CNNとの単独インタビューの中で、中国の軍事的脅威は台湾だけでなく、地域のどの国にも及ぶ恐れがあると警告した。
蔡氏はインタビューで、中国は習近平(シーチンピン)国家主席による「攻撃的な外交政策」の下で力と野望を膨らませ、脅威を「日に日に」強めていると主張。「我々の独立と安全、繁栄、民主主義を維持することができるか。これは台湾にとって最大の問題だ」と強調した。
さらに「台湾以外の周辺国も、中国の意志に従うことをやめようとすれば、同じような軍事的脅威に直面するだろう」と語った。
米国はこれまで台湾を非公式な同盟国として扱い、中国の軍事的脅威から守る役割を果たしてきた。しかし蔡氏は、台湾有事の際にトランプ米政権が駆け付けると思うかという質問には答えず、台湾自体の防衛力強化に専念するとコメント。「我々は常に準備態勢を取っておく必要がある」と語った。
そのうえで「台湾が攻撃の第一波をしのいだ後は、世界が立ち上がり、中国に強い圧力をかけることを期待している」と述べた。
蔡氏はインタビュー全体を通し、強大化する中国に対して勇敢に立ち向かう弱者としての台湾、リベラルで民主的な世界秩序を守る最前線としての台湾を印象付けた。台湾の民主主義が中国の手で破壊されれば、「それは世界の民主主義にとって大きな挫折になるだろう」と語った。
中国が軍事的圧力を高めていることについて「台湾が攻撃にさらされるというだけの問題ではなく、中国は膨張政策のために武力を行使する用意があるとの意思を反映している」と警告。「台湾だけでなく地域全体、世界全体の利害がかかっている」と訴えた。