ISIS参加の米女性、帰国を希望 「後悔している」
(CNN) 5年前に19歳でシリアへ渡り、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に参加していた米国人女性が、「今は後悔している」「帰国したい」と訴えている。
この女性はアラバマ州出身のホダ・ムサナさん。数週間前にISISから逃れ、シリア北部のクルド人居住地域へ向かったという。今は1歳半の息子とともに避難民キャンプにいる。
CNNが家族の代理人を通して入手した手書きのメモでは「シリアに向けて出発した時、私は世間知らずで、頭に血が上り、思い上がった娘だった。自分の信仰のことは分かったつもりになっていた」と振り返っている。
それから5年の間に3回の結婚を経験した。戦争の悲劇を目の当たりにし、夫を2人も失って目が覚めたという。
「戦争の恐ろしさを知ったこと、間近で血が流れるのを見たこと、母になったことで私は変わった」「生まれ育った大好きなアメリカとどれほどかけ離れた社会があり得るか、それを知って私は変わった。自分のいる場所と周りの人たちを見回して怖くなった。私はこの中にいたくないと分かったから。私の信じるものはこの人たちと違う」
高校時代は内気で遠慮がちなタイプと言われていたが、ISISに加わった後は戦いへの情熱を声高に語った。ISIS最盛期には、暴力を呼び掛けるツイートを盛んに投稿していた。
米ジョージ・ワシントン大学のテロ研究者で、ムサナさんのツイートを何年もフォローしてきたシェーマス・ヒューズ氏によると、ムサナさんは英語圏に向けた宣伝係の中心人物だった。
2015年1月には「ここにはオーストラリア人や英国人がいっぱい。でも米国人はどこだろう。臆病者よ、目を覚ませ」と書き込んでいた。同年3月の投稿では「車を走らせながら撃って全員の血を流し切れ、大きなトラックを借りてきて全員ひいてしまえ」と、米国内でのテロ攻撃を促した。