米欧州軍トップ、派遣増強を要請 ロシアの脅威拡大に警鐘
(CNN) 欧州での米軍の作戦行動を統括するスカパロッティ陸軍大将は5日、同地域におけるロシアの脅威に言及し、現有の戦力では抑止力としての機能に確信が持てないと警鐘を鳴らした。そのうえで米軍はより多くの兵員と艦船を欧州に派遣するべきだと提言した。
上院の軍事委員会で、議長の質問に答える形で発言した。スカパロッティ氏によると、欧州の米軍は、陸海軍の兵士の不足に直面しているほか、諜報(ちょうほう)や監視、偵察活動に必要な能力も十分ではないという。
同氏は「ロシア軍が近代化し、一段と攻撃的な姿勢を見せている現状を鑑みれば、米欧州軍としては派遣する兵員を増強し、わが軍の抑止力を高めることを推奨する」と述べた。
具体的には、駆逐艦2隻の追加配備を求めた。すでにスペインの基地に配備している4隻と合わせて、ロシアに対する抑止を支援する考えだという。
またロシア海軍の強大化に対抗するため、さらなる戦力の拡大が必要だとの見方を示した。
この前日には米ロ両軍のトップ同士がオーストリアの首都ウィーンで会談し、シリアと欧州における両軍の活動などについて協議していた。