墜落のボーイング機、前日に非番操縦士の助けで危機免れる 米報道
(CNN) 米ボーイングの新鋭機「737MAX8」の墜落事故に関連して米ブルームバーグは、昨年10月にインドネシア沖で墜落した機体がその前日に飛行制御システムの不具合に見舞われた際、非番の操縦士が助けに入り危機を脱していたことが分かったと伝えた。
この時は操縦室に非番の操縦士がいて、不具合を起こした飛行制御システムを停止させたという。
しかし同じ機体が翌日、別の乗員によって運航され、ジャカルタ沖の海上に墜落して搭乗していた189人全員が死亡した。
ロイター通信の報道によると、墜落したライオン・エアー610便では、操縦士がハンドブックを調べて機体の急降下を食い止める方法を見つけようとしていた。
ロイターはこの情報について、操縦室の音声を記録したボイスレコーダーの内容を知っている3人の人物から得たとしている。
CNNは20日、この報道についてインドネシア国家運輸安全委員会(KNKT)やボーイングに確認しようとしたが、いずれもコメントを避けた。
737MAX8型機は、3月10日にエチオピアでも墜落事故を起こし、乗客乗員157人全員が死亡した。専門家は同機が墜落した状況などについて、インドネシアの墜落事故との類似性を指摘していた。
操縦室に非番の操縦士がいることについて、航空専門家のジェフリー・トーマス氏は珍しいことではないと指摘。客室が満席で操縦士がジャカルタに戻る必要があり、そうする権限があれば全く問題ないと説明する。
ただ、KNKTの初期段階の報告書が第3の操縦士の存在に触れていなかった点については、その存在が注意散漫につながったり、逆に助けとなったりする可能性を議論するために開示が必要だったと批判した。