ミャンマーから中国に売られる「花嫁」、出産まで拘束 人権団体が報告
報告書は「売られた女性や少女が出産すれば、その家から離れることができることもある。ただ、通常は子どもを後に残したままで、再び会える望みはほとんどない」と指摘している。
この問題は以前から続いてきた。一因にはミャンマー東部の多くの地域で紛争が続き、大勢の貧しい女性が住む場所を追われている現状がある。
HRWの女性の権利局長代理、ヘザー・バー氏は声明で「悪質な人身売買業者に売られたカチンの女性や少女が筆舌に尽くしがたい虐待を受けているにもかかわらず、ミャンマーと中国の当局は見て見ぬふりをしている」と訴えた。
こうした女性たちはミャンマーで職も将来の展望もなく、避難民キャンプで暮らしも貧しく、法的な保護も存在しない状況にいる。そして人身売買業者の格好のえじきとなっている。
「ミャンマーや中国の政府、カチン独立機構は人身売買の防止、被害者の回復と支援、人身売買業者の訴追にもっと力を尽くすべきだ」とバー氏は語る。寄付を行う人や国際団体に対して、政府が保護しない女性らを支援する地元団体をサポートするようにも訴えた。
身を売られ虐待
HRWは3年間をかけ、人身売買の被害を生き延びた女性37人から聞き取り調査を行った。見知らぬ人の説得で中国渡航を決めた例もあるが、多くはもうけ話に目がくらんだ親戚や友人の手で売られていた。
中国に着くと大抵、恐ろしい虐待を受け、場合によっては妊娠後も虐待が続いた。女性のひとりはHRWに対し、複数の男に紹介された後どの男がいいかと尋ねられ、誰も好きではないと答えると平手打ちされたと証言。それが数日続き拒否を続けていたら、業者からレイプされたと語っている。
男性の多くは手慣れた様子で、女性たちを使い捨てとみなしていた。