NZの銃規制法案、成立なら「銃器買い戻しに227億円」と副首相
(CNN) ニュージーランド南部クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)で起きた銃乱射事件を受け、同国議会は2日、半自動式銃の禁止などを盛り込んだ新たな銃規制法案の審議に入った。法案が可決した場合、該当する銃器の買い戻しにかかるコストは3億NZドル(約227億円)に上るとみられる。
50人が死亡した先月15日の銃乱射事件以降、ニュージーランド政府は銃規制法の強化に向けた取り組みを迅速に進めていた。2日に本会議で読み上げられた法案の内容には、1人を除くすべての議員が支持を表明した。
法案が成立すれば、該当する銃器の所有者は9月までの期間中にそれらの武器を政府に引き渡して、補償金を受け取ることになる。
政府は銃器買い戻しのコストについて、当初1億~2億NZドルかかるとの見通しを示していたが、ピーターズ副首相は2日朝、CNN系列の地元ラジオ局の取材に答え「最大で3億NZドルになる可能性がある」と語った。買い戻す銃器の数や種類が不明なため、費用の全額を算定することは現時点で不可能だという。
ニュージーランドでは銃器の所持は免許制となっているが、それぞれの銃器の登録は義務付けられていないため、実際にどれだけの数量が出回っているのか正確にはわからないのが実情だ。同国の警察は、全国に120万丁前後の銃器が存在すると推計している。
免許を所持する銃器オーナーでつくる評議会の事務局長を務める女性は地元ラジオ局に対し、実際の買い戻しコストは「数十億」の単位になると主張。そのうえで、法律を守って銃器を所有している人々が新たな規制により不当な扱いを受けるのではないかとの強い懸念を表明した。