海に捨てられるプラスチックごみ、予想以上に深刻な事態に 英研究
(CNN) 世界の海に投棄されるプラスチックごみの量が増え続けており、今後も一層の悪化が予想されるという研究結果が、16日の科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表された。
プラスチックは野生生物に打撃を与え、海洋を汚染させ、人に害をもたらす可能性もあると指摘している。
プラスチック汚染を巡ってはこれまで主に、ペットボトルや歯みがき粉、レジ袋などが分解してできるマイクロプラスチックに注目が集まっていた。しかし今回の調査では、ポリ袋やプラスチック製の漁獲網や釣り糸など、「マクロプラスチック」汚染の増大にも脚光を当てている。
研究チームによると、こうした大型プラスチック汚染の増大は1957年から発生し、1990年代に入ると激増した。
英海洋生物学会などの研究チームはもともと、プランクトンの研究を行っていたという。ところがプランクトン測定機材にプラスチックごみが絡み付くトラブルが頻発したことから、実態調査に乗り出した。
研究チームが約650万カイリにおよぶ北大西洋と周辺の海について、60年分のデータを調べたところ、プランクトン測定機材に絡み付いたプラスチックの量は、2000年以来、約10倍に増えていることが分かった。
この調査結果は、世界で製造されるプラスチックの量と一致していた。別の調査によれば、世界のプラスチック生産量は過去40年で4倍に増えている。
15日のネイチャー・クライメート・チェンジに掲載された別の調査では、もしこのままの傾向が続いた場合、プラスチック製造による温室効果ガスの排出量は2050年までに全体の15%を占めると予測している。これと比較して、輸送や交通による排出量は現時点で15%を占める。