英ロンドンに終日「超低排出ゾーン」、排ガス多い車から料金徴収
ロンドン(CNN Business) 英ロンドンで8日から世界で初めて、年間を通じて終日、排ガス量の多い車から料金を徴収する「超低排出ゾーン(ULEZ)」が設定された。大気汚染の原因となる排気ガスを減らして公衆の健康を守る狙い。
発表によると、ロンドンで大気中に放出される酸化窒素の約半分は車から排出され、ぜんそくやがん、認知症などのリスクを増大させるとともに、寿命を縮める原因になっている。カーン市長はULEZの設定を、「ロンドンの空気をきれいにする計画の中心」と位置付ける。
排気の多い車がULEZに入る場合、乗用車とワゴン車、バイクについては1日当たり12.5ポンド(約1800円)、トラックやバスについては同100ポンド(約1万5000円)の料金を徴収する。
ロンドンでは現在、市中心部に乗り入れる車から渋滞税を徴収しており、ULEZはそれと同じエリアをカバーする。2021年には対象エリアをさらに拡大する計画。
自分の車がULEZの排出基準を満たしているかどうかは、ロンドン運輸局のホームページ経由でチェックできる。
ロンドンでは大気汚染対策として、排ガス量の多い車が市中心部に乗り入れる際に徴収する「Tチャージ」を2017年2月から導入。以来、このゾーンに乗り入れる車は1日当たり1万1000台ほど減り、排ガス基準を満たす車は55%増えた。ULEZはこの計画の次の段階と位置付けられる。
ロンドン名物の赤いバスも、全9200台が2020年10月までにULEZ基準の順守を予定している。