人工中絶は「殺し屋を雇う」も同然 ローマ法王、国際会議で発言
ローマ(CNN) ローマ法王フランシスコがローマ市内で開かれた人工妊娠中絶反対の国際会議で講演し、人工中絶を「ヒットマン(殺し屋)を雇う」行為になぞらえて強く批判した。
フランシスコ法王は25日に行った講演の中で、たとえ胎児が重い病気にかかっていたとしても、中絶は決して容認できないと力説、医師に対し、女性が出産するまで支え続けるよう促した。
「問題を解決するために人の命を絶つことは正しいのか。問題を解決するためにヒットマンを雇うことは正しいのか」
法王は聴衆にそう問いかけ、「決して問題解決のために人の命を絶ったり、ヒットマンを雇ったりしてはいけない」と訴えた。
会議はローマ法王庁がスポンサーとなって開かれ、司教協議会などの代表者や医師など70カ国の約400人が参加した。
たとえ胎児が重い病気にかかっていたとしても、中絶は決して容認できないとした/TIZIANA FABI/AFP/AFP/Getty Images
法王はさらに、現代社会は子どもの障害に対する「恐怖と敵意」をあおる文化に支配され、それが結果として中絶を選ばせていると批判。「生きることと相いれない人間など1人としていない」と訴え、「女性の子宮に宿った子どもは全て贈り物だ」と強調した。
たとえ生まれて間もなく死亡すると診断された子どもでも、子宮の中で治療を受けさせなければならないと法王は述べ、「そうした子どもの面倒を見れば、両親の悲しみを救うことができ、単なる喪失ではなく共に歩んだ1歩だったと考えることができる」と指摘している。