「粛清説」の北朝鮮高官、国営メディアに再浮上
(CNN) 「粛清説」が伝えられていた北朝鮮高官の金英哲(キムヨンチョル)氏が、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と一緒に芸術公演を鑑賞する様子を、北朝鮮国営メディアが2日に報じた。
韓国の大手紙、朝鮮日報はこの2日前、対米交渉責任者だった金英哲氏が失脚し、強制労働を言い渡されたと伝えていた。金英哲氏は1年ほど前に訪米し、米朝首脳会談に向けてホワイトハウスでトランプ大統領と会談した人物。しかしベトナムで開かれた首脳会談が物別れに終わったため、米国との交渉を担当した高官が粛清されたとの見方が浮上していた。
北朝鮮の党機関紙、労働新聞が掲載した写真では、金正恩氏から数座席離れた席に、金英哲氏とみられる男性が座っている。ただし男性は手で顔を覆っているため、はっきりとは確認できない。
一方、処刑説が伝えられた金赫哲(キムヒョクチョル)氏についての言及はなかった。
金英哲、金赫哲両氏の粛清を伝えた朝鮮日報の記事は、北朝鮮にいる匿名の当局者が情報源で、記事を書いたのは北朝鮮から亡命した記者だった。だが専門家はこの記事の信ぴょう性に疑問を投げかけ、米国務省のポンペオ長官は、報道内容について確認中だと述べていた。