コンゴのエボラ出血熱、大都市ゴマで初の症例
(CNN) アフリカ・コンゴ民主共和国(旧ザイール)の保健省は14日、大都市ゴマでエボラ出血熱の症例が確認されたと発表した。1年ほど前から始まった今回のエボラ出血熱流行で、ゴマで感染者が確認されたのは初めて。
保健省によると、エボラが発生しているブテンボ(人口約10万人)からバスで14日にゴマに来到着した牧師の感染が確認された。ブテンボでは昨年9月に初の感染者が出ていた。
牧師はすぐに隔離され、エボラ治療施設に運ばれたことから、ゴマで感染が広がるリスクは低いと保健省は強調。バスの運転手と残る乗客18人には、15日にワクチンを接種すると説明している。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は、「歓迎すべきニュースではない。だがずっと前から予期していた」「症例が確認された場合に直ちに対応できるよう、われわれは入念な準備を行ってきた」とツイートした。
事務局長によると、ゴマにあるエボラ治療施設は保健省と医療支援団体の「国境なき医師団」が今年2月から運営している。準備対応のため、市内の医師や看護師など3000人が予防接種を受けた。
今回のエボラ出血熱の流行では1600人以上が命を落とし、流行は史上2番目の規模となっている。
医療機関や政府に対する不信感から、治療を受けずに自宅で死亡する人も多く、感染が拡大する一因になっている。遺体から感染が広がって、埋葬した家族が死亡する恐れもある。
西アフリカで最悪のエボラ出血熱は2014年に流行が始まり、1万1000人以上が死亡した。