シンガポール政府のCM、俳優の扮装に「人種差別的」と非難
(CNN) シンガポール政府が主導する電子マネー普及キャンペーンの広告で、中国系シンガポール人の俳優がメイクや衣装を変えて他の民族に扮したことに対し、差別的との非難が集中した。
問題の広告では、俳優の周崇慶(デニス・チュウ)さんが肌の色を濃くするなどして1人4役を演じていた。マレー系女性の役では、イスラム教徒の女性が使うスカーフを着けて登場した。
広告はその後、取り下げられている。
シンガポールは中国系、マレー系、インド系の住民らが共存する多民族国家。ツイッター上では「現代のシンガポールでこんな差別的表現が飛び出すとは」「マレー人の役にはマレー人俳優を起用することもできたはず」と、批判の声が相次いだ。
一方で「私はマレー系だが広告は面白いと思った。こちらが中国人役を演じることもあり、失礼だとは思わない」という意見も書き込まれた。
広告の制作会社と周さんの所属事務所はCNNへの共同文書で、電子マネーのキャンペーンではだれもが使えるという点を訴えたいと強調。そのために、ものまねの名人として知られる周さんを起用したと説明している。