イラン外相、G7開催地を訪問 マクロン氏が予告なく招待
フランス・ビアリッツ(CNN) イランのザリフ外相が25日午後、先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)が開催されているフランス南西部のビアリッツを電撃訪問した。議長国フランスのマクロン大統領の招待により、トランプ米大統領も関知しない中での訪問になったとみられる。
米国は昨年5月、イランが欧米など6カ国と結んだ核合意から離脱。今年に入り、対イラン制裁の再開を表明していた。
マクロン大統領は25日にテレビ演説を行い、イラン問題の激化を避けるため「引き続き指導力を発揮していかなくてはならない」と述べた。また自国メディアとのインタビューでは、各国の合意の下、相互の意思疎通や行動指針の策定を行い、立場の異なる国同士の和解を図る意向を示した。
一方トランプ大統領は記者団から、マクロン大統領がG7を代表してイランへメッセージを送ることに同意したのか尋ねられ、「議論していない」と強調した。
また「イランはもはや2年半前と同じ国ではない。各国にはそれぞれ対処の仕方があるが、当然ながら他人が発言するのを止めることはできない。発言したいならすればいい」と語った。
ビアリッツを訪れたザリフ外相は、フランスのルドリアン外相と会談するとみられる。滞在中、米国の当局者との会談は一切予定されていない。
米当局者らは、ザリフ氏の訪問について具体的な事前の報告はなかったと説明。このうちの1人はG7による「策略」との見方を示す一方、同氏を招待する権限はマクロン大統領にあったと述べた。