世界の自殺者は年間約80万人、40秒に1人の割合 WHO
ロンドン(CNN) 世界保健機関(WHO)は、世界の自殺者に関する報告書を発表した。自殺率は減少しているものの、依然として40秒に1人の割合で自殺者が出ているとして、各国にさらなる対応を求めた。
報告書によれば、2010年から2016年の間に世界の自殺率は9.8%減少した。ただ、米大陸は唯一、自殺率の上昇がみられた。
WHOのテドロス・アダノム事務局長は「全ての死は家族や友人、同僚にとって悲劇だ」と指摘。自殺は防げるとして、世界各国に対して、持続できる形で、健康や教育に関する全国的なプログラムの中に自殺予防のための取り組みを組み込むよう呼び掛けた。
WHOによれば、毎年約80万人が自殺によって死亡している。これは、マラリアや乳がん、戦争や殺人による死者数よりも多い。自殺に関する予防措置を取り入れている国は38カ国にとどまるという。
世界の自殺の年齢調整死亡率は10万人あたり10.5人。アフリカや欧州、東南アジアではこの平均を上回るという。
世界的にみると、自殺する人の割合は女性より男性の方が多い。女性の自殺する割合は10万人あたり7.5人だが男性は同13.7人。女性の方が自殺率が高いと推計される国は、バングラデシュ、中国、レソト、モロッコ、ミャンマーのみ。
WHOによれば、世界全体の自殺の79%が低所得国と中所得国で起きているが、高所得国でのほうが自殺する人の割合は高くなり10万人あたり11.5人となるという。
9月10日は「世界自殺予防デー」。