通勤者に相乗りを呼び掛け、渋滞緩和や二酸化炭素削減で ベルギー首都
(CNN) 欧州諸都市で最悪級とされる交通渋滞に悩むベルギーの首都ブリュッセルの行政当局は混雑緩和や二酸化炭素の排出削減を狙い、通勤客に車の便乗を促す政策を促進することをこのほど決めた。
同市の交通行政担当部門の報道担当者は、移動手段などはブリュッセルが直面する最大の政策課題の1つと強調。大気汚染などに触れ、緊急対策が必要との危機感を表明した。
路上を走る車両を20%減らすことを目標にし、そのための対応策を検討。新興のIT企業と協力して開発中のアプリを通じたサービスを提供するとし、通勤に伴う車両の便乗促進などが含まれる。他の交通手段の選択肢も考え、通勤客が最も便利な方法を選べるようにするとした。
特にフランス語圏のワロン地方からブリュッセルへ毎日通う運転者19万人を意識しており、首都郊外に使用料金を大幅に下げた駐車場の創設などを想定。ここから通勤客を市内中心部へ一緒に運ぶ方途などを検討している。
また、毎年の運転距離に基づく課税制度も計画。共有の自動車利用の場合は課税対象から外す特典も考慮している。
交通行政担当部門によると、道路渋滞による市の経済の損失額は推定で年間80億ユーロ(約9440億円)。
通勤客が渋滞で立ち往生する時間を比較調査した昨年の統計によると、ブリュッセルは欧州で最も混雑する都市の1つで、英ロンドンよりわずかに悪い結果ともなっていた。