職員の11月分給料の不払い警告、財政危機で国連事務総長
(CNN) 国連のグテーレス事務総長は10日までに、加盟国が分担金を全面的に拠出しなければ深刻な財政危機に陥り、国連職員の来月の給料不払いが起き得ると警告した。
国連総会で2020年予算案を公表する際に表明した。予算の赤字幅では過去10年で最悪の状態を被っているとも訴えた。国連の財政危機は国連改革を迫るトランプ米政権の分担金削減の要求などで悪化している。
事務総長は今年1月以降、国連は支出切り詰めなどの対策を進めてきたと主張。これらの努力がなければ9月開会の国連総会用の予算もねん出出来なかったとも述べた。人材の欠員も埋まり続けていないとして、職員の出張も必要不可欠なものに限っているとも語った。
事務総長のドゥジャリク報道官によると、加盟193カ国中、通常予算への分担金を支払ったのは129カ国。先月末までの時点で、予算執行に必要な総額のうち支払い済みなのは7割とした。昨年同時期の場合は78%だった。
米議会調査局が昨年公表した報告書によると、国連の通常予算での米国の分担金の比率は22%。米国の分担金支払いは遅めになりがちで、現段階では全額を拠出していない。
関連記録によると、国連の18〜19年通常予算で米国は6億7400万米ドルの支払いが義務付けられている。一方、国連の報道担当室によると、以前の予算で米国が不払いを続けた累積額は約10億ドルに達するともした。