トルコ軍のシリア越境作戦、米軍にも砲撃 米国防総省

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トルコ南部のシリア国境付近の町を通過するトルコ軍の車列/Lefteris Pitarakis/AP

トルコ南部のシリア国境付近の町を通過するトルコ軍の車列/Lefteris Pitarakis/AP

(CNN) トルコ軍がシリア北部で踏み切った少数民族クルド人の武装組織に対する軍事攻撃で、米国防総省は11日、シリア内にいる米軍部隊がトルコ側陣地からの砲火にさらされたことを確認した。

トルコに対し全ての作戦遂行を要求、応じない場合、自衛行動を即座に迫られると警告した。

同省報道官の声明によると、コバニ地区に居た米軍部隊が砲火を浴びたのは現地時間の11日午後9時ごろ。着弾は米軍部隊の居場所から数百メートル内で起きたとし、トルコ側が米軍部隊の存在を承知している地域内だったとした。

一方、トルコ国防省は11日夜の声明で、米軍に発砲などしたことを否定。近くに位置していたクルド人戦闘員を標的にしたと主張した。米側からの情報を受け砲撃などを中止したともした。

CNNの取材に応じた米政府当局者は、今回のトルコ側の砲撃の意図について意見が分かれている。米軍部隊の撤収を狙った意図的行為もしくは完全な標的把握の誤りなどと推測している。

CNNは11日、トルコ軍の砲撃の初期分析に通じる米政府当局者の話として米特殊作戦部隊から数百ヤード(1ヤードは約0.9メートル)の場所に着弾したとも伝えていた。米ニューズウィーク誌によると、初期段階の情報では米軍兵士に負傷者はいなかった。

米国はシリア内戦で過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討戦を成功させるためクルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)を支援。ただ、トランプ米大統領は最近、シリア内の米軍撤収を打ち出し、トルコ軍の越境作戦を黙認する戦略転換を示していた。トランプ氏のYPG切り捨てとも言える措置には米国内でも批判が強まっている。

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