中国・武漢、2カ月半ぶりに封鎖解除 鉄道や航空路線も再開
(CNN) 新型コロナウイルス感染が最初に見つかった中国・湖北省の武漢で8日、2カ月半に及んだ封鎖措置が解除された。ただし当局は、危険が完全に去ったわけではないとして、引き続き警戒を呼び掛けている。
武漢では1月23日からの封鎖措置で全ての交通が遮断されていたが、8日からは鉄道や航空路線、高速道路が再開され、健康状態の良好な人は外部との出入りが可能になった。武漢以外の湖北省では、先月下旬に同様の移動制限が解除されていた。
中国中央テレビ(CCTV)が鉄道当局の推計として伝えたところによると、武漢からは8日だけで5万5000人の乗客が出発する見通し。このうち4割前後は広東省の広州など「珠江デルタ地域」へ向かうとみられる。
武漢の疾病対策当局者は5日、CCTVとのインタビューで、封鎖措置の解除により市内の経済、社会活動が全面的に再開すると述べる一方、今後もウイルスが外から運び込まれたり、大規模集会などで感染拡大が再発したりする事態を防ぐ必要があるとの警告を発した。
武漢で報告された感染者は計5万人を超え、死者は2500人余りと中国全体の77%を占めた。封鎖期間中は店舗などの営業が停止され、住民は食料品の買い出しを含めた外出を禁じられていた。
一時は1日数千人のペースで確認されていた感染者も、先月中旬までには大幅に減少。これを受けてすでにバスや鉄道の運行、店舗の営業が段階的に再開し、条件付きで外出や職場復帰が認められるようになっていた。
住民は8日以降も、外出時に健康状態の証明と雇用主からの書簡の携行を義務付けられる。当局は今後も不要不急の外出を控え、外ではマスクなどで身を守るよう呼び掛けている。