代理母の産んだ新生児46人、国境封鎖で親が引き取れず ウクライナ

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ウクライナの首都キエフの医療施設で新生児らの世話をする看護師/GLEB GARANICH/REUTERS

ウクライナの首都キエフの医療施設で新生児らの世話をする看護師/GLEB GARANICH/REUTERS

モスクワ(CNN) 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴い国境が封鎖されたウクライナで、代理母の産んだ数十人の新生児が、国外に住む養父母に引き取られないまま医療機関に止め置かれていることが分かった。同国の国会議員が明らかにした。

ウクライナ議会の人権オンブズマンを務めるリュドミラ・デニソワ議員は14日、外務省と連携してこれらの新生児の両親らに入国を認めるための働きかけを行っていると述べた。

国内で代理出産を請け負うある医院はネット上に動画を投稿し、首都キエフにある施設で現在46人の赤ちゃんを預かっていると説明。米国や英国、スペインなどの国に住む両親らがウクライナに入国して赤ちゃんを引き取ることを希望しているとした。

医院の弁護士は各国に対し、政策上の特例措置を設けて両親らが自分たちの赤ちゃんを引き取れるようにしてほしいと呼びかけた。

GLEB GARANICH/REUTERS
GLEB GARANICH/REUTERS

医院側が問題提起の一環として公開したこの動画は、ネット上で急速に拡散している。

デニソワ氏によると、現在国内で代理出産を依頼した両親に引き取られずにいる赤ちゃんの数は100人前後。同氏は14日の報告で前出の医院の推計を引用し、このままウクライナが国境を閉ざし続ければ、約1000人の赤ちゃんが行き場を失う事態になりかねないと警鐘を鳴らした。

外務省はCNNの取材に答え、法律に従い国境封鎖を継続するとしながらも、国外に住む親が赤ちゃんを自国に引き取りたいと希望する場合には、それぞれの大使館を通じて特例措置の申請を行うことが可能だと述べた。

ウクライナは営利目的の代理出産を法律で禁じていない国のひとつ。他国に比べ各医院の設定する価格が低いことで知られており、2015年にアジアの複数の国々が代理出産を禁じた際には同国への需要が急増した。

今回の動画の公開を受け、国内では代理出産の倫理上の問題についての議論が再燃。一部の当局者や人権活動家からは、改めて政府に対し法律での禁止を求める声が上がった。

かねて産業としての代理出産に批判的な立場をとってきたデニソワ氏は、現行法を改正して利用者の対象をウクライナ国民に限定することを提案している。

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