コロナ対策批判で医師ら投獄、エジプト政府を批判 人権団体
(CNN) 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は20日までに、エジプト政府に対し自国の新型コロナウイルス対策を批判する医師を投獄するなどの弾圧を停止するよう要求した。
同団体の中東・北アフリカ担当の調査責任者が声明で求めた。エジプトの公衆衛生の従事者は自らの安全防護策や時には十分な衛生管理の確保への不安を漏らしたがゆえに逮捕などされ、処罰されていると主張。
今年3月以降、ソーシャルメディア上で公衆衛生に関する危惧の念を明かしたため少なくとも8人の衛生対策従事者が恣意的に逮捕されたとも指摘した。医療従事者は虚偽のニュース拡散やテロ関与などの罪に問われているともした。
エジプトの医師団体は17日、少なくとも73人の医療従事者が新型コロナに感染して死去したと報告。14日には自らの見解を表明したため拘置された医療従事者の釈放を求める公式書簡を検事総長に送付もした。
医療関係者は患者の家族の怒りを買い、暴力などの被害にもさらされているとも説明した。
エジプトのイスラム教の最高権威機関とされる「ダールイフタ」は以前、医療従事者への攻撃に反対するファトワ(宗教見解)を出してもいた。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、エジプト内の新型コロナウイルスの累計感染者数は日本時間20日午後の時点で計5万2211人、死者数は2017人となっている。