ブラジルのコロナ感染者、100万人超え 米国抜く可能性も
(CNN) ブラジル保健省は19日、新たに5万4771人が新型コロナウイルスに感染し、累計の感染者数が103万2913人になったと発表した。死者も4万8954人に達した。
ブラジルでは新型コロナの流行が急速に拡大しており、鈍化の兆しは見えない。こうした中、主要都市はソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)を解除し、レストランや店舗など不要不急の事業の再開に乗り出している。
専門家の間では、ブラジルが感染者数で米国を追い抜き、近くコロナで最悪の被害を受けた国になる可能性を指摘する声が多い。
だが、ボルソナーロ大統領は国際的な医療機関に疑念を呈し、自身の信用失墜を図っていると反対派を非難するなど、脅威を軽視する姿勢を続けている。
ブラジルは当初、中国やイタリア、米国で感染が広がる中でも、コロナの流入を免れている様子だった。
最初の感染者が確認されたのは2月26日。これはウイルスを抱えたままイタリアから帰国した男性の単発的な例とみられていたが、1カ月後には国内の感染者が3000人近くに増え、死者も77人に達した。
ボルソナーロ氏が新型コロナを「軽いインフルエンザ」になぞらえ、ブラジル人はウイルスに免疫があるとの誤った見方を示唆していたのはこのころだ。
その後、感染はさらに拡大。米ワシントン大学の追跡モデルによると、ブラジルは早ければ8月1日にも米国を抜き、最多の死者数を出す国になる可能性がある。死者数は今後1カ月足らずで倍増以上の10万人に上ると予想されている。