制限緩和の欧州、再開したフライトをCNN取材班が体験
(CNN) 欧州で新型コロナウイルス感染対策の入国制限を緩和する動きが本格化し、航空機の利用客が少しずつ戻り始めた。コロナ後の空の旅を、CNN取材班がいち早く体験した。
取材班はルフトハンザ航空で独フランクフルトからポルトガル北部のポルトへ向かった。
出発前の空港では、乗客を含め全員が常にマスクを着け、対人距離を確保するよう求められた。だがいったん搭乗すると、事情は違ってくる。
入り口で消毒用のウェットティッシュが配られ、マスクも引き続き着用するが、機内で互いに距離を置くのは無理だ。航空各社が運航を再開し始めたとはいえ、現時点で便数は以前よりはるかに少ない。結果として、どの便も満席で飛ぶことになる。
![機内で乗客に消毒用のウェットティッシュを配る客室乗務員/CNN](/storage/2020/06/17/9649e76b874a490f0234a4ca8e0e7c29/lufthansa-fred-pleitgen-new-reality-flying-coronavirus.jpg)
機内で乗客に消毒用のウェットティッシュを配る客室乗務員/CNN
客室はいつもより沈んだ雰囲気。だれもがマスクを着け、飛沫(ひまつ)を飛ばさないように会話を控えていた。密閉空間で長時間過ごすのは心配だと話す人もいた。親類を訪ねるため、あるいは仕事のために渡航する人がほとんどだった。
普段なら年に50回ほど利用するという男性は、感染リスクを気にしてはいないと話す一方、中央列の座席が埋まっていることにやや驚いたとコメント。新型ウイルスを考えると、座席間の距離はとても近く感じたと語った。
機長の説明によると、操縦室ではマスクを着けていない。緊急時にパイロット同士の表情が見えるようにするためだという。
機長はまた、機内の空気は最新式のフィルターを通して常に入れ替わっていると強調した。
しかし、空港では目的地の制限措置に合わせたチェックイン手続きや、出発時刻に遅れた乗客を待つ配慮などで、長い待ち時間も避けられない。快適な空の旅にはまだ遠いのが現状といえそうだ。