ロシア反体制派のナバリヌイ氏、昏睡状態に 毒盛られた疑い
モスクワ(CNN) ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏(44)の広報担当者は20日、同氏が昏睡(こんすい)状態に陥っていることを明らかにした。何者かに毒を盛られた疑いがあるとしている。
広報担当者のツイッターによると、ナバリヌイ氏はシベリアのトムスクからモスクワに戻る旅客機内の機内で気分が悪くなり、同機はオムスクに緊急着陸した。
機内で撮影されたと思われる動画には、大きなうめき声が収録されている。機内の窓から撮影したと思われる別の動画には、動かなくなった男性が担架に乗せられて救急車に運ばれる様子が映っていた。
広報担当者がロシアのラジオ局に語ったところによると、ナバリヌイ氏が飲んだのは、出発前に空港のカフェで飲んだ紅茶だけだった。「何者かが紅茶に毒を混入したのは間違いない。この朝に飲んだのはそれだけだった。医師によると、毒は温かい液体の方が速く吸収される」としている。
ナバリヌイ氏はオムスク市内の救急病院に運ばれたが、家族や医師は、身の安全が懸念されることや、検査に必要な機材が整っていないことを理由に、同氏を別の場所に移すことを決めたという。
ロシア政府のペスコフ報道官は定例記者会見で、ナバリヌイ氏がオムスクの病院に入院したという報道については認識していると述べ、「早期の回復を願う」とコメントした。
さらに、ナバリヌイ氏に外国で治療を受けるための支援要請があれば検討する用意があると説明。幻覚剤を盛られたのかという質問に対しては、まだ検査結果が出ていないとしている。
フランスのマクロン大統領は20日、ドイツのメルケル首相との共同記者会見で、「医療や亡命、保護も含めて、ナバリヌイ氏と家族に必要な支援を提供する用意がある」と表明した。