重体のロシア反体制派ナバリヌイ氏、ドイツ移送へ 医師が許可
モスクワ(CNN) ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏が意識不明の重体となり、毒を盛られた疑いが指摘されている問題で、ナバリヌイ氏の広報担当者は、同氏が22日以降にドイツの病院に移送されるとの見通しを明らかにした。
広報担当者は20日、ナバリヌイ氏がシベリアのトムスクからモスクワに向かう機内で体調不良を訴え、昏睡(こんすい)状態に陥っていると発表。毒を盛られた疑いがあるとしていた。搭乗機はオムスクに緊急着陸したという。
治療に当たるロシアの医師団は21日、ナバリヌイ氏の関係者に同氏の移送を許可した。
国営タス通信によると、入院先の病院の幹部は記者団に対し、「別の病院への移送に反対しない」と表明。移送の日時については「今日になるだろう」と述べたが、ナバリヌイ氏の関係者はこれを否定した。
ナバリヌイ氏の主治医も21日、ツイッターで、同氏を乗せた航空機が約2時間以内に出発するとの見通しを示唆した。これに対し、広報担当者は現地時間午後11時の時点で「この情報は不正確だ」と述べ、「出発は早くても7時間後になる」としている。
広報担当者によると、ナバリヌイ氏のドイツ移送は現地時間の22日午前6時以降になる見通し。ドイツの慈善団体は21日未明、同氏をベルリンに移送して治療したいとの考えから、医療用航空機をオムスクに派遣していた。
ナバリヌイ氏の治療に当たるシベリアの病院は21日、毒を盛られたとの主張を否定したものの、同氏の妻は、この病院の医師は信用できないと説明。病院が当初、夫の移送を許可しなかったのは、「化学物質」の痕跡を隠ぺいするためだとの見方を示した。