ブラジル大統領、「顔殴る」と記者脅す 家族の汚職疑惑への質問で
サンパウロ(CNN) ブラジルのボルソナーロ大統領がこのほど、家族の汚職疑惑について質問した記者に対し「顔を殴る」と脅す様子をカメラに撮られる出来事があった。
ボルソナーロ氏は23日、首都ブラジリアの大聖堂を訪問。大聖堂の外で記者団の取材を受ける動画には、汚職疑惑について尋ねたオ・グローボ紙の記者を威嚇する同大統領の姿が映っている。
当該の記者は、ボルソナーロ氏の長男で上院議員のフラビオ氏の元側近からミシェレ夫人のものとされる銀行口座への振り込みが行われたとする疑惑についてコメントを求めた。
するとボルソナーロ氏は記者に向かって「その口を殴ってやりたい気分だ。わかるか?」と言い放った。
CNNはこの時のやり取りについて、大統領府にコメントを求めたが大統領報道官は返答を拒んだ。
今月初めに地元誌が報じたところによると、ミシェレ夫人の口座には2011年から16年にかけて上記の元側近から約7万2000レアルが小切手で振り込まれた疑いがある。
現在ボルソナーロ氏の息子が絡んだ汚職疑惑の捜査が行われており、この元側近は自宅軟禁の状態にある。ボルソナーロ氏自身はこの疑惑について、これまでのところコメントを出していない。
オ・グローボ紙は23日に声明を出し、ボルソナーロ氏の攻撃的な振る舞いは正当化できないと主張。当該の記者は、与えられた役割を「プロとして申し分ないやり方で」遂行しただけだと述べた。