13歳少年に禁錮10年の判決、イスラム教の神冒涜で ナイジェリア
(CNN) ナイジェリア北西部の裁判所がイスラム教を冒涜(ぼうとく)した罪で13歳の少年に禁錮10年の判決を言い渡していたことが17日までに分かった。これに対し国連児童基金(ユニセフ)が非難の声を上げている。
判決は北西部カノ州にあるシャリーア(イスラム法)裁判所で、先月10日に下された。被告の少年は友人との口論の際、アラーの神に向かって汚い言葉を使ったとして有罪判決を受けていた。
弁護士らによると当該の裁判所は最近、預言者ムハンマドを侮辱した別の被告に対して死刑判決を言い渡してもいたという。
少年の弁護団の1人はCNNの取材に答え、今回の少年への量刑について、子どもの権利及び福祉に関するアフリカ憲章並びにナイジェリア憲法に違反すると指摘。「冒涜の罪はナイジェリアの法律で認められていない。ナイジェリアの憲法と矛盾する」としたうえで、今月7日に控訴したことを明らかにした。
この弁護士によると、少年の母親は現在近隣の街に逃れている。少年の逮捕の後、群衆が自宅に押し寄せてきたためで「報復攻撃への恐怖」に駆られての行動だったという。
ユニセフのナイジェリア代表を務めるピーター・ホーキンス氏は、少年への量刑に正当性はないと主張。「子どもの権利と正義に関するあらゆる基本原則を否定するものだ。ナイジェリアはその原則に署名している」と述べた。
カノ州では、ナイジェリアにおいてイスラム教徒が支配的な州の大半がそうであるように、シャリーアの法制度と世俗の法律に基づく法制度が併存している。