欧州を覆う新型コロナ第2波、再び死者急増の恐れも
世界保健機関(WHO)の専門家によると、9月第1週の時点ではまだ、新規の症例の中で最も大きな割合を占めているのは25~49歳の年齢層だった。だが50~79歳の年齢層も増加した。
症例数の増加はいずれ、死亡率が高い高齢者の感染につながるとヘッド氏は予想する。
「英国やフランス、あるいはスペインで、若者の感染が増えている。およそ4~6週間後には、高齢者の感染も増え始めるというパターンは大いに予想がつく」(ヘッド氏)
地域社会で症例数が増えれば介護施設などにウイルスが入り込む可能性も高まる。「英国では過去1カ月あまりの間に、介護施設での集団感染が急増している」とヘッド氏は指摘する。
インフルエンザのシーズン到来も、病院に多大な負担がのしかかる可能性があることから「重大な懸念」だとヘッド氏は言う。
新型コロナウイルスの後遺症で1カ月以上入院している患者の増加も病院の負担になっている。「若くて健康な人でさえも、約10~20%は感染の長期的な影響が出ている」(ヘッド氏)
オックスフォード大学のピーター・ドロバック氏は、「ほとんどの国では検査能力が増大しているものの、検査数の増加は現状のように症例数が増えている説明にはならない」と解説。「我々は明らかに、事態を制御できなくなりつつある」と警鐘を鳴らしている。