中国国連大使、米国が多くの問題生み出したと批判 国連で応酬続く
(CNN) 中国の張軍国連大使は24日、国連安全保障理事会の会合で発言し、米国は「既に世界に対して十分な問題を生み出してきた」と非難した。米中間では新型コロナウイルスの世界的な流行をめぐる応酬が続いている。
会合では米国のクラフト国連大使がまず、中国は「今回のウイルスの起源を隠ぺいし、その危険性を過小評価し、科学面の協力を妨げた」と批判。中国政府は「(新型コロナ)の地域的な流行を世界的な流行に変えた」と主張した。
これに対し、張氏は即座にクラフト氏の発言に反論した。「もうたくさんだ。米国は既に世界に対して十分な問題を生み出してきた」「残念ながら、またしても米国から会合の雰囲気にそぐわない雑音が聞こえてきた」とし、中国政府は「根拠のない」非難を拒絶するとも述べた。
2日前には、トランプ米大統領が国連総会でビデオ演説を行い、事前収録した内容の大半を新型コロナをめぐる中国の対応の批判に費やしたばかり。トランプ氏は中国政府が「航空便の出発を許可して世界に感染を広げた」と批判し、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と形容した。
一方、張氏はこの日、感染拡大の責任はひとえに米国にあると主張した。米国では1月以来、600万人超の感染が確認され、20万人超が新型コロナで命を落としている。
この日の安保理会合では、ロシアもクラフト氏の批判に回った。ネベンジャ国連大使は「安保理の一構成国に対して根拠を示さず批判を展開するために、米国の代表者がこの会合および国連安保理の舞台を選んだのは遺憾だ」としている。
加盟国間の団結を繰り返し訴えてきたグテーレス国連事務総長は同日、米中関係は「非常に危険な方向」に向かっていると警鐘を鳴らした。