クウェートのサバハ首長が死去、91歳
(CNN) 中東クウェートを14年間にわたり統治したサバハ・アハマド・ジャビル・サバハ首長が死去した。91歳だった。当局が29日発表した。
サバハ氏は近年、健康問題を抱えていた。中東地域の紛争の調停に取り組んだことで広く尊敬を集める存在で、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、エジプトの4カ国がカタールに禁輸措置を科した際にも解決の仲介を試みたが、これは不成功に終わった。
シリア内戦では支援会合を主催して多額の拠出誓約を取り付けた。
王室関係者は国営テレビで、「クウェートとその国民ならびにアラブ、イスラム世界および世界の人々は心からの悲しみとともに、サバハ・アハマド・ジャビル・サバハ首長に哀悼の意をささげる。神の許しがあらんことを」と述べた。
サバハ氏は1929年、近代クウェート国家の形成期に生まれた。王室の一員で、40年間にわたり外相や首相を歴任した後、首長に任命された。
最近は手術を受け、8月6日に治療のため米国を訪問していた。首相府は手術について成功と説明。当局はザバハ氏の病状を公表していなかった。
訃報を受け、各国や国際機構の指導者からサバハ氏の死を悼む言葉が寄せられた。
国連のグテーレス事務総長はザバハ氏を「賢明さと寛大さ」の象徴と形容し、平和の使者であり橋渡し的な役割を担ったと称賛。在クウェート米大使館もツイッターで、ザバハ氏は「地域に平和と安定をもたらすことに人生をささげた」とたたえた。
中東地域でもサウジアラビアのサルマン国王とムハンマド皇太子、ヨルダンのアブドラ国王、エジプトのシーシ大統領、レバノンのアウン大統領から弔意が寄せられた。