教員殺害にフランス全土で抗議デモ、ムハンマド風刺画を授業で使用
パリ(CNN) フランス・パリ郊外で男性教員が首を切断されて殺害された事件をめぐり、フランス全土で18日、言論の自由を訴え、教育者への暴力に抗議するデモが行われた。殺害された教員のサミュエル・パティさん(47)は、授業の中でイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を使っていた。
パリのレピュブリック広場周辺には数千人が集まった。中にはかつてムハンマドの風刺画を掲載してテロ事件の標的となった風刺週刊紙「シャルリー・エブド」の紙面を掲げる参加者がいる一方で、「イスラム化」「ナチスイスラム化」に反対を唱える参加者もいた。
パリのイダルゴ市長やフランスのカステックス首相などの政治家は、抗議デモに支持を表明した。
歴史と地理の教員だったパティさんは16日に殺害され、警察は同日午後にパリ郊外で、殺害の実行犯とされる18歳の男を射殺した。男はチェチェンからの移民だった。
当局によると、パティさんは表現の自由について教える授業の題材としてシャルリー・エブドの風刺画を使い、それが原因で殺害される数週間前から論議が巻き起こっていた。
16日にパリで殺害されたサミュエル・パティさん。歴史と地理の教師だった/Christophe Capuano/Twitter
対テロ検察によると、容疑者の男は警察に射殺される前、ツイッターへの投稿で、預言者を侮辱したマクロン大統領の「地獄の犬」を処刑したと書き込んでいた。
男は学校前で生徒からどれがパティさんかを聞き出して、帰宅途中のパティさんを襲ったとされる。