イラン、反体制ジャーナリストの死刑を執行
(CNN) イラン国営IRIB放送によると、同国の反体制ジャーナリスト、ルホラー・ザム氏の死刑が12日午前に執行された。
ザム氏はフランス滞在中の昨年10月にイラン当局に拘束され、今年6月に「地上に腐敗を広めた罪」で死刑を言い渡されていた。この罪名は具体的な罪の内容がはっきりしないまま、政府転覆を図った行為などに適用されてきた。
政府系タスニム通信は昨年、同氏が運営していたニュースサイトが2017~18年の反政府デモを扇動したと伝えていた。
また政府系ファルス通信によると、同氏は米仏やイスラエルの情報当局と協力し、陰に陽に保護を受けていたとされる。
死刑判決の撤回を求めていた国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」は12日の声明で、死刑執行を「イランの司法による新たな犯罪」と非難。同氏は「違法に拉致、逮捕」され、「著しく不当なやり方」で裁判にかけられたと訴えた。欧州連合(EU)も死刑の執行を非難する声明を発表した。
ザム氏が拘束された正確な状況や場所は不明。仏外務省によると、19年10月11日に同国を出ていた。イラン革命防衛隊はその3日後に同氏を拘束したと発表した。イラン当局は当時、同氏が車内で目隠しをされた姿や、カメラの前で謝罪する場面の映像を公開していた。
RSFによると、イランでは1979年以降、少なくとも860人の記者や市民ジャーナリストらが投獄されたり、処刑されたりしている。