スウェーデン国王、政府のコロナ対策批判 感染者激増で
(CNN) スウェーデンのカール16世グスタフ国王は19日までに、同国で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新する深刻な事態を受け、政府の予防策を批判する異例の見解を示した。
同国の公共放送SVTとの会見で表明した。「我々は失敗したと考えている。多くの国民が死亡する悲惨な状態になっており、我々全員が共有する苦難となっている」などと述べた。
ロベーン同国首相は15日、集団免疫を図る戦略が奏功しなかったと認めていた。未知のウイルスであり多くの関係者が想定していなかった状態で拡散したことを理由にしてもいた。
スウェーデンは新型コロナの第1波や第2波の到来を受けても都市封鎖措置などに訴えない独自の対策を進め、予防措置は地方レベルで任意の実施に委ねていた。
ただ、感染者数が増え始めた11月になり同首相は公の場で8人以上が集まることを禁止する措置を発表。最近は劇場や遊興施設の閉鎖に踏み切っていた。
政府の予防策の指針によると、住民は日常生活では少人数の環境での他人との交流が勧告されている。クリスマスを祝う行事では身近な関係にある人間以外との接触を避けるよう推奨されている。しかし、マスク着用は促されていない。
スウェーデンの公衆衛生当局によると、同国では17日、1日当たりの新規感染者が8815人を記録。コロナ禍が始まって以降では最多で、先週の水準と比べ2000人以上の増加ぶりとなっていた。
SVTは入院した新型コロナ患者は過去最多となり、一部の集中治療室では収容者数が限界に達したとも伝えていた。