欧州各国、相次ぎ英国からの渡航禁止 変異種は「制御不能」と英保健相
ロンドン(CNN) 英国で感染力の強い新型コロナウイルスの変異種が発見されたことを受けて20日、欧州や中東の各国が相次いで英国からの便の乗り入れを禁止した。
英国のマット・ハンコック保健相は20日、この変異種について「制御不能」の状態にあると語った。英国内ではこの日、1日当たりの新規の症例数が過去最高の3万5928例に達した。
渡航禁止措置が広がったことで、英国の旅行者は欧州からほぼ切り離された状態になった。英政府は21日にジョンソン首相が議長を務める緊急会合を開き、国際的な移動制限について協議する。特に英国を出発・到着する貨物便の着実な運航に焦点を置く。
フランスのカステックス首相は20日、「新たな健康リスク」を理由に、現地時間の午前0時から48時間、英国からの出入りの渡航を中止すると発表した。続いてドーバー港とユーロトンネルも閉鎖を発表した。
アイルランド政府は21日と22日の2日間、英国からの便の乗り入れ禁止を発表し、「公衆衛生上の利益のため、英国滞在者は国籍を問わず、空からも海からもアイルランドに渡航してはならない」とした。イタリアも20日、英国行きの便と英国から到着する便を中止し、過去2週間の間に英国に滞在していた場合は誰であれ入国を禁止すると発表した。
ポルトガルは、英国からの到着便で入国を認めるのはポルトガル国籍保持者に限るとした。ただし新型コロナウイルス検査の陰性を条件とする。
ベルギーのデクロー首相は20日、「予防的措置」として21日は24時間、英国からの入国を禁止すると述べ、必要があれば期間を延長するとした。英国から乗り入れる航空便のほか、高速鉄道ユーロスターも対象とする。