欧州各国、相次ぎ英国からの渡航禁止 変異種は「制御不能」と英保健相
オランダやラトビアは、英国からの便の乗り入れを年明けまで禁止すると発表した。フェリーで英国から到着する乗客の入国も禁止する。オランダ政府は同じウイルスの変異種がオランダでも検出されていたことを明らかにした。エストニアも年内は英国との空の便の運航を中止すると発表した。
チェコは20日から、英国からの入国者に対して10日間の隔離を義務付ける。
サウジアラビアは1週間の間、国際旅客便の運航を全て中止し、陸路や港湾経由の入国も禁止する。トルコは英国と南アフリカ、オランダ、デンマークからの便の乗り入れを禁止。イスラエルも英国、デンマーク、南アフリカからの到着便を禁止し、この3カ国からの外国籍保持者の入国も禁止した。
世界保健機関(WHO)の専門家マリア・バン・ケルコフ氏は20日、英BBCのインタビューの中で、新型コロナウイルスの新しい変異種はイングランド南東部で発祥し、デンマーク、オランダ、オーストラリアで確認されていることを明らかにした。
この変異種は9月からイングランド南東部で出回っていたとケルコフ氏は説明、「(英国から)これまでに入った情報によれば、このウイルスの方が重い症状を引き起こすわけではない。ただしこの変異種で入院した患者についての調査は現在も進行中だ」とした。
英政府は19日にジョンソン首相が行った緊急記者会見で、ロンドンとイングランド南部および東部で警戒レベル「4」の厳格なロックダウン(都市封鎖)に入ると発表していた。この措置の期間をめぐってハンコック保健相は20日、「新しい変異種の拡散の速さを考えると、ワクチン接種が始まるまでは、これを封じ込めておくことは非常に難しい」との見通しを示した。
ロンドンでは19日夜、新しい規制が導入される前にロンドンを離れようとする市民らで列車や道路が混み合った。PAメディアの報道によると、午後7時までにはロンドンを出発する列車は満席となり、乗客からは、車内で他人との距離を確保できないとの苦情が出ている。