米大使館近くのロケット弾攻撃、イラン介在か バグダッド
(CNN) 中東地域などを管轄する米中央軍は23日、イラクの首都バグダッドにある米大使館近くで今月20日発生したロケット弾攻撃に触れ、イランが後ろ盾の民兵組織が実行したのは「ほぼ間違いない」との見方を示した。
中央軍の報道担当者の声明によると、ロケット弾計21発が撃ち込まれたが、米国人に死傷者はいなかった。ただ、米大使館の敷地内の建物に軽微な被害があった。ロケット弾攻撃を受け大使館の防御システムが作動したとも述べた。
現場は、バグダッド中央部にあり各国大使館や地元政府省庁が集まる「グリーンゾーン」とも呼ばれる地区の一角。同地区へのロケット弾攻撃としては2010年以降、最大規模とした。
実行犯はイランが物的支援をし、指示も与える勢力と指摘。また、同大使館近くの居住地域内の建物や車両が損傷したと述べた。イラク軍は、ロケット弾の1発が検問所近くに着弾し、イラク軍兵士1人が負傷したと明かした。
米政府当局者の一部は、米軍がイラクでイランの革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害してから来月3日に1年の節目を迎えることを踏まえ、イランによる報復攻撃の可能性への懸念も示していた。
このなかで米国は21日に誘導ミサイル搭載の原子力潜水艦が戦闘艦船2隻に随伴されながらイランに近いホルムズ海峡を通過したと発表。潜水艦の動向を公表するのは異例で、イランを念頭に置いた対応ともみられる。
一方、米ホワイトハウスでは23日、イランの最近の脅威に関する会合を開き、取り得る選択肢などを協議した。トランプ大統領は同日、ツイッター上でイランに警告。「米国人が1人でも死亡したら、イランに責任を取らせる」と主張した。