WHO調査団の2人、中国入国できず 抗体検査での陽性理由に
香港(CNN) 世界保健機関(WHO)は14日、新型コロナウイルス流行の起源を調べるために中国に派遣したチームのうち、抗体検査で陽性と判定された2人が入国できずシンガポールにとどまっていることを明らかにした。
研究者13人からなる国際調査チームは同日、2019年後半に新型コロナの症例が最初に確認された中部・武漢に入った。WHOのツイートによると、入国できなかった2人は「IgM抗体検査で陽性と判定された」という。
IgM抗体はコロナ感染の初期の兆候になりうるが、ワクチンを接種済みの人や、以前に感染して回復した人から検出される場合もある。検査で偽陽性が出る可能性もある。
中国への渡航者は昨年11月以降、IgM抗体検査とPCR検査の陰性結果が出たことを入国前に示すよう義務付けられている。
WHOによると、入国できなかった研究者2人は現在、再検査を受けている。以前の検査では複数回にわたって陰性と判定されていたという。中国に入国できた研究者については「国外からの渡航者に課される2週間の隔離措置の間、ただちに仕事を開始する」としている。
中国外務省の報道官は14日の定例記者会見で、「感染拡大抑止のための規則や要件を厳格に順守する」と表明。WHOの調査チームに支援や施設を提供する方針も示した。
入国を拒否された研究者2人についての質問には答えず、関係当局に問い合わせるよう指示した。
WHOの調査チームが遅延に見舞われるのは2回目。当初は今月上旬に中国に到着する予定だったが、中国当局が入国を認めず、WHOから異例の非難を招いていた。