カナダ、極右「プラウドボーイズ」をテロ指定
カナダ・オタワ(CNN) カナダ政府は3日、米極右組織「プラウドボーイズ」など13団体をテロ組織に指定すると発表した。
発表によると、プラウドボーイズは今後、「思想上の動機を持つ暴力的な過激派組織」とみなされる。他にも「アトムワッフェン師団」と「ザ・ベース」、「ロシア帝国運動」が同様の扱いを受ける。
カナダのブレア公安相は記者会見で、こうした組織の暴力的な言動について「白人至上主義や反ユダヤ主義、同性愛嫌悪、イスラム教嫌悪、女性嫌悪によってあおられており、その全てが組み合わさっていることも多い」と指摘した。
政府当局者によると、今回の措置により、カナダはテロ指定された組織の金融資産を凍結したり、資金調達や訓練、採用を犯罪とみなしたりできるようになる。
ブレア氏は会見でプラウドボーイズのテロ指定について聞かれ、先月6日の米連邦議会議事堂襲撃を契機に国内で「政治対応」に着手したことを明らかにしつつも、今回の決定は政治的なものではないと説明。「証拠と情報、法」に基づく判断だと強調した。
カナダ政府当局者が把握している限り、プラウドボーイズをテロ組織に指定した国は他にないという。
CNNはプラウドボーイズの指導者にコメントを求めたものの、回答はない。
一部の人権団体からは、プラウドボーイズのテロ組織指定はテロの定義を過度に広げるものであり、デモや言論の自由の権利を危うくしかねないとの指摘も出ている。
カナダ反ヘイトネットワーク(CAHN)は1月、ブログで「カナダのプラウドボーイズに対しては引き続き対抗して実態を暴露し、説明責任を問う必要があるが、テロ指定は重大な措置であり、さらなる議論に値する」と述べていた。